今年94歳になる本好きのお友達。
夜中に目が覚めてしまうという。
「本があると安心するの」
真っ暗の中、ただ、時間だけが流れる。
本当に夜は開けるのだろうか。

不安が少しでも無くなるのなら。
好きそうな本を見繕う。
84歳の近所のご婦人。
ご婦人48歳の時に旦那が53歳でベーチェット病で亡くなったという。9年間闘病してたけど、原因がわからず亡くなる寸前のことだったとか。
「もっとはやく(私と)出会ってれば」そうだね、すぐそこの学校に来てたんだから、会える可能性はあったね。
ご婦人は17時になると寝てしまう。旦那が亡くなってから暗くなるのが怖いらしい。だから17時には寝てしまう。それでも22時過ぎ。あたしの夜の散歩の時につけているエプロン、公園の街燈でわかるらしい。そんな姿をみて安心するのだという。いつでも飛んでくるからねと伝えてある。
うちの母。
がん闘病で深夜も灯りをつけてままだった。
「このまま目が覚めないんじゃないかって」そんな母も69歳で亡くなった。最後まで灯りは消さなかったよ。
亡くなった叔父。
「朝まで長いんだよ」具合の悪いなか独りで朝まで。
泣きながらあたしに訴えてた。完璧主義者の叔父は人にも厳しかった。
そんな自分が人の手を借りなくならなくなって、どうにもならなくなった。
カッコつけてた分、助けも呼べなかったし、誰も助けてなんかくれなかった。
みんなずるいんだよね。
そういう時ばかりあたしを使うんだ。
だけどね、母とか叔父とか祖母とか。
そういう経験したから「独りの夜」の気持ちがわかるようになったよ。
誰かの苦しみが誰かの救いになればいい。
そうすれば苦しみさえも意味のあるものになる。
来週は何の本を持っていってあげようか。
それもあたしの楽しみ。