粉雪まう 花びらまう

18年前

病院から 急いで家に戻って

急いで お風呂に入って

急いで 母の病院に戻った

粉雪が 舞っていて

真っ暗な空に 白い羽みたいに

泣くもんか 泣いてたまるか って思ったけど

まるで 雪が 包んでくれるようで

大声で 泣きながら

真夜中の病院の非常口に 向かって歩いてた

夢に

お母さんが迎えに来て

とうとう

お父さんも迎えに来た

それが二月の始め

両親 亡くなってからも 心配をかける娘で

三回 迎えにきた お母さんには

まだ往かない ってこたえてきた

あたしが いついなくなってもいいように

口うるさく 友達には 話してきたけど

あたしが いなくても やっていけるんだよね

ただね うちの犬たちは

あたしが いないと こまってしまうんだ

あたしが お金で 贖ってしまったから

あたしが 命の 責任をとらないと

こころに 風がふく

こころに 雪も 花びらも

こころに 舞い狂う