「・・・」詣で

「・・・」には病院名が入る。

ぞろぞろ15人くらいは毎日日の出とともに集まる。これを『「・・・」詣で』

先日、シュナーズのおやつを届けてくれた姉妹が、

「最近「・・・」に行ってるの?」と訊ねてきた。

「朝から並ばなきゃならないから、いま、行ってないんだ」

「あそこは余計なことしないから、いいんだよ」と。

藍の時も『「・・・」詣で』三昧だった。

朝一で補液をしてもらうのだ。

「よく通ったよね」

「ほんと」

フランの時に『「・・・」詣で』していた時、この姉妹のキャバリア君も補液に通っていた。

車が無かったあたしは長い坂をベッドに横たえたフランを抱えて普通に歩けば20分くらいの道のりを40分以上かかって通っていた。

あたしより、幾分近いところにこの妹さんは住んでいた。

「仔犬で連れていった時に、『×××さん、この子はそう長くは生きられないかもしれない』って言われて、先生のおかげで10歳まで生きられたからね」

もし、治療費が高くかかるようだったら病院に通うことすら出来なかったと。

正解なんてない。

高い治療費をかけて、無理やり管に繋いで生かすのも愛情。

自然のままに、主の傍らで、亡くなっていくのも愛情。

補液、毎日通えば10万円近い。

藍は中毒だったと思うから、すぐに大きな病院で、集中的に治療すれば、また、違ってたかもしれない。運が無かった。

「ほんと、よく通った」

「だね」

フランの時はキャバリア君のほうが一足先に虹のふもとへ行ってしまった。

夕方、二回目の病院の時に、「がんばんな」とよく声をかけてもらった。

朝夕。毎日の散歩。あたしはよく目撃されてるから、見かけないとあたしが具合悪いんじゃないかと評判がたつ。

シュナーズ、あたし、みなさまの見守りの中、生活しております。

心からの感謝。感謝。感謝。

いつも気にかけてくれてありがとうございます。