キルルンという生き物

キルルンは犬じゃない。

キルルンはシュナじゃない。

キルルンはキルルン。

藍のことがあって。

病院の匂いには異常なほど敏感。

ミエルの抜糸が済んで戻ってきたら、今回もキルルン半狂乱。

なんだか、わからないけど気になるらしい。ずっと傍から離れない。

ミエルは夕飯も食べず。取り合えず、鶏肉、半熟卵、菜の花をあげた。

それはペロッと食べたけど、出された薬はやはり食べず。

粉末にしてくれなくても、ミエルは食べるって言ったのに。

朝、肝臓強化メニュー・・・・・・・・・・

藍と一緒で食べない。

先生が心配して肝臓、腎臓、膵臓も一度検査が終わったんだけど、追加で調べてくれた。

あたしには「匂わない」けど、キルルンにはなにか「匂ってる」みたい。

キルルンは心配性、キルルンは誰よりも愛情深い。キルルンはそして誰よりも不器用。

心配過ぎてどうしていいかわからない。

キルルンも共倒れになっちゃう。

今年は櫻も見に行けない。

キルルンはキルルン。

あたしのワルキューレ。

あたしの黒曜石。