私は馬が好き。
最近はぜんぜん乗らないけど。
ちょっと仕事で、嫌な事があって。
「馬だって、今朝方産んだ仔馬を助ける為に、炎で包まれた厩舎に中に飛び込むのに」って。北海道で実際あった火事の話、もう、随分前。母馬は飼い主に助けられたのに、飼い主の腕を振り切って、燃えさかる炎に飛び込んで仔馬と一緒に亡くなった。
人間には自分の血を分けた親、子、孫、若しくはパートナーの事が、全く気にならない「障害」を持つ人々がいる。これは、老いた犬、猫のパートナーを保健所で安楽死させるオーナーさんにも言える。私には、ほっといたら「死」んでしまう子供を放っておくなんてこと出来ない。たとえ、「血」が繋がっていなくても。その子が「人間」でなくても。
そんな中、ある馬の事を思い出してた。
「VODAK」 ウオッカ。私の大好きだった競走馬。とっても可愛らしい女の子だった。牝馬としては64年ぶりに『日本ダービー』を勝利。その後は名だたる牡馬と競い合ってG1を7勝。引退してからはアイルランドで繁殖に使われた。もう、何年経つんだろう、アイルランドに渡って。アイルランド産のイギリスクラシック2冠の「SEA THE STARS」とも交配されてた。Slashの名前にもなってる。
2019年4月1日 安楽死 享年14歳 誕生日の3日前だった。
指の粉砕骨折だけでね、殺されちゃうんだ。散々、金儲けに使って、繁殖に使って、アイルランドの遠い地で。すぐに安楽死処分だったのを懸命に治療をしたらしいけれど。
仕方ないよね「競走馬」なんだから。
でも、知ってる?馬は本当は走ることが嫌い。その事を強いる人間って最悪。でも、その為に作られたのが「競走馬」
もう一回だけ、VODAKのお尻を観たかったなぁ。とっても可愛らしい子だった。
引退した競走馬の飼い葉代を寄付して、自分の応援していた元競走馬をレスキューしている人々もいる。有名、無名問わずに。本来、自分が「惚れこむ」というのはそういうことだ。好きになるのに、有名、無名、姿、形、勝ち負け、勝負の中にあったとしても最終的には関係ない。
馬はとっても愛情深い生き物。VODAKの産んだ子供たちはどうしてる?
人間なんかよりも、ずっと、ずうとはるかに、深い思いで。
Celtic Woman 「Danny Boy」は「Londonderry Air」に歌詞をつけたもの。
泣けてくる。