うちのシュナーズのお里は、人に頭を下げられるのが、滅法弱い。
それで、どんだけ騙されたか。油断しているとどこからともなくやってくる「黒い影」
一度(ひとたび)ショーに出れば、絶対零度の眼光で、たまたま映ってたリングサイドの写真ですらブリザードの形相。
頼まれれば、後ろ砂をかけて、不義理された相手にも150%の勢いで手助けしちゃう。
それを冷静に考えると悩むことがある。
尊敬をしてくれる人はいいの。
明らかに後ろ砂をかけていく相手には、お手伝いなんてして欲しくない。また繰り返しになるから。だけどそれはあくまであたしの心情。
その相手が「犬を美しく仕上げて、リングを走ってくれる」と考えた時、
「(犬を)きれいに仕上げて、みんなに観てもらうのが楽しみ」というお里の気持ちに反しはしないのか?
「ただただ犬をキレイにしたい」というお里に、人間界のドロドロしたものをあたしは伝える必要があるのか?
それがたとえお里の名前が完全に伏されたとしても。
百年後の名声か、今の雀躍か。
うちのおばあちゃま。
こんな風にモルトをキレイに出来たら、躍起になる必要ないんだよな(涙)
頑張れ、あたし。