絵の具の話

上の弟から仕送りが届いた。

「パスタ食うか?」と聞かれたから

「食う!!」と答えたら、今回は麵ものとソース。

・・・こむら返り用か、弟よ。

美大に通ってた弟は、よく(お金が無くて)食べられない同級生を深夜に連れて帰ってきた。芸大を目指してた弟は同級生より、年かさだったからね。

「×××ちゃん、なにか食べさせてやってくれ」

親元からの仕送りは、ほとんど画材に消えていた。

嫌みな教授・・・職人肌なのか、芸術肌なのか、あたしは知らんが、どうやって「お金のない学生」にコバルトを使ったウルトラマリンブルーや、自然光に視えるホワイトを買えというのだろうか。みんな木炭を消す消しゴム用「食パン(50円)」をお昼に食べてた。

バイトしても、画材にお金は全て消え、美大を出ても食っていけるのは一人か二人。

それも「派閥」があって賞も「出来レース」・・・どこも同じ(笑)

ホルバインの絵の具をみると、家の応接間で、急いで作ったラーメンや雑炊、パスタ、チャーハンをほおばっていた学生たちを想い出す。

今となっては大事な思い出です。