想い出せない・・・

E・キューブラー・ロス著 「死ぬ瞬間」

死への受容のプロセスが書かれている。1 否認 2 怒り 3 取引 4 抑鬱 5 受容 と進められていく。

・・・現在、私は「抑鬱」なのかな。

藍リンがお空組になってしまう何日か前。

朝、早かったから、まだ寝かせておこうと思って。

何とはなしに藍リンのほうをドア越しに覗いたら、Slashの横で「よっこらしょ」って起き上がる藍リンと目が合った。私を探して起きてきた。その姿があまりに可愛らしくて。

・・・どうして、そういう「日常」を撮っておかなかったんだろう。

藍がいない、いない、って藍を探す事も多かった。大抵、奥の部屋の毛布を片してあるところにのっかって、ぐっすり眠っていた。お姫さまのように、それは、それは可愛くて。

そんな写真も撮っておけば良かったのに、あまりに可愛いから、大騒ぎしているうちに「目」を覚ましちゃって、「おや、帰ってたのかい?」って起きてきた。

藍がなにかしちゃった時。例えば、つまずいたとか、本人はジャンプしたつもりで飛べてなかったとか。

必ず「・・・見た?」って振り返った。

「見てない、見てない」って、笑って答えてた。どうして、その時の顔を撮っておかなかったんだろう。

ちょこっと、横になると藍がすかさずやってきて、私の横を陣取った。

その後、わさわさ、若者たちがやってきて大騒ぎ。

もし、藍ちゃんだけだったら、藍ちゃんはまだ生きていてくれた?

私は藍ちゃんといる時間を削って、他の子たちといちゃったのかな?

藍はずっと寂しかったんじゃないのかな?

・・・もし、藍ちゃんと二人だけの生活だったら、きっと藍ちゃんはボケちゃってたね。

私は「4 抑鬱」くらいまで来てたと思ってたけど、まだ、「3 取引」くらいをウロウロしている。

あまりに哀しくて、藍の顔がね、想い出せなくなってきた。

会いたいよ。

お前はなんてかわいいんだろう。

お前の全てを覚えていたいのに・・・