犬は人 猫は家

犬は人について、猫は家につくっていわれる。

個々の差あるし、昔と今じゃ事情もちがうんだろうけど。

10月4日はうちのマーティー号の命日です。

藍の49日は10月2日。藍の100日がSarahの誕生日の11月26日の次の日だったかな・・・縁のある日って決まってる。

ジャーマンシェパードの血をひいてるマーちゃんは、とっても大きかった。

私なんて、引きずられるくらい。お父さんだか、お母さんが和犬だったから純血種よりは小さかったけど、全盛期のマーちゃんは下手すれば私と同じ体重くらいあった。

私は身長160センチだから、肩に手を掛けられると、私の顔の前にマーの顔があった。

年を取って、食べられるものなんて、牛乳に浸した「カステラ」と「鶏モモ肉の照り焼き」くらいになったけど、大型犬でも17歳まで生きてくれた。

特に、病気なんてしなかった。目も白内障なんてならなかったし、最後の一週間だけ、栄養不足で「ボケ」みたいな症状がでただけ。

マーちゃんは弟が突然連れて帰ってきたワンでした。

クラスメイトのお父様が警察犬の訓練士だか、警察犬を繁殖しているんだかで、5頭生まれたうちの1頭が、うちのマーティー号。

すぐに、弟が面倒をみるのあきちゃって、父と私で面倒をみてたけど、父は私が19歳の時に亡くなった。それから15年ほどは私がマーちゃんの面倒をみてた。

写真を載せたいのに、手元にない・・・

私の右腕には大きな噛み傷がある。半纏を着ていた上から、寝ぼけたマーちゃんに噛みつかれた。私にとっては勲章だ。

ずっと、アップルパイが焼けるのを、マーちゃんは待っていたの。毎週、日曜日にはバターロールやフランスパンを焼いていたから、とっても楽しみに待っていたの。オーブンの前で。

やっと、焼けて、一口切り分けてあげたのを、私がマーちゃんの前に落としてしまった。

拾ってあげようと思ったら、寝ぼけてたんでしょうね、取られるとおもって、ガブってやられた。

その後、3日間ほど、庭でのトイレ以外は自分の家から出てこなかった。

ご飯も食べなかった。

犬って、そんだけ繊細な生き物なんだ。

だから、命日にはアップルパイ。本当は焼いてあげたかったんだけど、知り合いが「マーちゃんに」って持ってきてくれた。

他の友人の持ってきてくれた、ポンパドールの「アップルパイ」

と「パンプキンパイ」、すでにSarahが狙ってる。

犬は飼い主が変っても、ただ一人を待ち続ける子がいる。

マーちゃんはずっと、弟を何年も待ち続けていた。

何年も 何年も

弟は結局、帰ってこなかった。「マーに会わす顔がない」という言い訳をして。

・・・亡くなる日の明け方、私は「また、明日ね」と言って、母の介護に。

ちょっと、仮眠をとっていたら、夢を視た。

元気なマーが弾丸のように、私のところに走ってくる夢を。一緒に庭を走り回っていた頃のあの元気なマーちゃんが。

飛び起きて、マーの所に行ったら血便をして倒れていた。

マーは私のところに来てくれたんだ。

私をパートナーとして認めててくれてたんだ。

泣けた 泣けた 泣けた

近所で「お母さまに何かあったの?」と尋ねられるくらいに。

マーを火葬場に連れていく10月5日。

10月なのに、関東に雪が舞った。曇った空にひらひら、はらはら。

桜の花びらみたいに。

・・・犬は二度と飼わないって思ってたのにね。

どの子も、どの子も愛おしい。

ダメなパートナーでごめんね。