櫻切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿

櫻切る馬鹿 梅切らぬ馬鹿・・・って言うんですわ。

櫻は枝を切ったところから枯れて行ってしまうんですわ。

あちしはそう習った、じいさんから。

特に造ってしまった品種は。

12月に樹木医さん来てたから、知ってはいたんだけどね。

50年以上はここにいたんだよね。

櫻の木の精は、それはそれはきれいな男の人なんだそうだ。

毎日 毎日 お前たちが櫻守。

毎日 毎日 愛でて。

散った花びら 折れた枝の葉 散った朽の葉

春も 秋も かき集めて

サルノコシカケが生えてくるくらい。

ここの主だろうにね。

ここの主はどこに行ってしまうのかね?

こんな立派な枝もなぁ。

落とされる。

どう思う?ミミエル。

来週は根を掘り返されるだろうね。

人が造ってしまった品種。

人が植えてしまった木。

自然だったら、

そのまま朽ちて果てれたろうに。

土に返って

次の命の糧になっただろうに。

この時期になると想い出す

昔も今も 想う気持ちは 同じです

花あわれ せめてはあと二旬 ついの開花を ゆるし給え 土居善胤