闇の闇 心の闇

追記あります。

もう何年も前になる。

日本の「とある場所」の「とある施設」に友人がフィールドワークの為に、寝泊りしていたことがある。

一応、日本の法律に乗っ取ってはいるが、文化はまるで「日本」ではない。

「異国」の話だ。

「文化」とは「ある種の化学反応」だと、私は常々考えている。

フィールドワークで入るならば、その場所の文化をとやかく言ってはいけないし、新しい文化も持ち込んではならない。

何故なら、一言でも意見を言ってしまえば、均衡がくずれ、化学反応が始まりそこの「独自の文化」ではなくなってしまう可能性があるからだ。決して「当事者」になってはいけない。

では、もし、その「文化」が「人の生き死に」にかかわることだったら?

また、そこに「『土着』の特殊な文化・・・因習」があったら?

注)あえて『土着』という言葉を使ってます。

「病気」を持っているもの、「障害」を持っているもの、「死」の近いもの・・・そこの因習ではそのような人々・・・つまり「老人ホーム」に入居している人たちは「禁忌」だった。触れることも、話すこともしない。なぜなら「禁忌」だから。触れることは「穢れ」になる。「恐れ」が存在する地域。

なので、「老人ホーム」とは名ばかりでなんにもケアなどされていない場所だった。

離れ小島のその地域では、いまだに「ニガイ(願い)」というものがあり、そこには「シャーマンのようなもの」が存在した。

あえて「シャーマンのようなもの」と書いたのには理由がある。

神にお伺いをたてて神が選んだ「巫女」と、自己申告の「巫女」があるからだ。

これは去年の神にお伺いをたててる儀式。3年ごとに行われます。

お盆に名前を書いた紙を置き、そこからふるいにかけます。一番最初に7回お盆から落ちたものが一番上位の「巫女」に選ばれます。この時点でこの選ばれた名前のものはお盆から外されます。同様に、次の7回、次の7回と順番にやっていき5人の「巫女」が選ばれます。

神は5人の「巫女」を選び、一番上位の「巫女」は「神に近い存在」になり、亡くなれば「珊瑚でできた棺」に葬られる。

「巫女」に選ばれたものは、「家から出てはいけない」「海をみてはいけない」「日にあたってはいけない」・・・・もう、随分たっているから、やってはいけないことを全部覚えてないや(笑)

私は先先代の4番席にあたる方と親しくさせてもらってる。先先代の上席にもお世話になった。世の中にはそういう場所がいまでに存在する。(確か先代はもめてたので知らない)

そこで、その「巫女」を研究していたのが友人だった。

その地の人でさえ「神事」の時しか入る事を赦されない「ウタキ」に「パワースポット」だとか言って、にわかスピリチュアル系がむだんで「ウタキ」に入ったりとか「お客さん」はとんでもないことをする。「恐れ」を知らない。世の中には「恐れ」が存在する場所があるのだ。

「老人ホーム」・・・・・本来、ケアをさせて当たり前の場所。

だけれども、そこで行われているのは、神奈川県に席を置くものとしてみると「虐待」だった。

でも、その地の「文化」からすれば、当たり前のことなのだ。何故なら「穢れ」に触れてはならない。

「巫女」が「神」に選ばれ、「闇」が「闇」として存在する場所。

海はあの世の入り口。

もし、その場所にずっといるのなら、訴えることもできる。

だけれども「お客」さんとして、その地の「文化」を研究し、時が経ってしまえば「その地を離れてしまう者」に、そのことを「とやかくいう権利」があるのだろうか?

その地に身を置き、その地でその「因習」にあらがってる者もあるだろう。

それが、例え「法律」に「違反」することになるとしても。

それが、唯一の「老人を生かす方法」だったら?

その場所にたって、生きているものに対し「部外者」の人間が何かを言えるのだろうか?

そこに利害関係があったとしても。どこにも政治はある。

私だったらどうする?

そこに「身をおく」のか。「身をおかない」のか。

To be or not to be, that is the question.

どこの世界でもある話。

それでも、海はきれいね。久しぶりにみた。

毎日、毎日、海の写真が送られてきた。神の世界だよ。

あたしはいつでも、どこでも、ずっと「オカルト」だなぁ(笑)

これは奄美だけれども。似た世界観があります。

こちらの地方は必ずカラオケ大会がありますね。「唄」は「祈り」ですからね。

「巫女」にも「唄」担当がいます。「巫女」さんに頼まれてるのに、まだ「巫女」の唄を文書化してないんじゃ(笑)口承文化ですから、誰かが形にしておかないと。

関わったものの「役目」のように思います。その「役目」に選ばれたのだから。

友人は御祭りの出来レースのカラオケ大会で「2位」になりました。本当だったら「1位」

そのことで、その地の市民権を得たのでした。「歌うまいねぇ~」って。アイドルです。この時点で「フィールドワーク」は失敗ですね。半分はそこの「地」の人になりました。この「地」のおばぁたちには、本当にお世話になりました。男はダメでしたけどね。

今年もマンゴーは美味しかった(笑)

追記

これを読んだ友人。やっぱり知り合いだった。

本来、5人なのに「神事」をしているのが2人しかおらん・・・・

今回は5人選ばれたんだろうか。とのこと。

あなたが様子を見に行ってらっしゃい。お土産は反物でいいぞ(笑)素敵だ。

「巫女」さんの写真は観光局からお借りしました。