亡き王女の為のパヴァーヌ

雨が ふってる

まどのそとは 雨

なんとなく

ラヴェルを 聴きたくなって

辻井君はほんと穢れがない演奏をする

エロスとタナトス

生と死

空からの一滴が

大地に落ちることがないのなら

枯れた土地は潤わないでしょう

夜の静寂が

大地を覆いつくさなければ

大地の雫は天には戻れない

今日は命日

しばらくは

生き死にの話は 聞きたくない

生き死にの映像も 見たくない

モロー作 「死せるオルフェウスの首を運ぶトラキアの娘」

パリ オルセー美術館所蔵

亡くなった妻に黄泉の国に会いに行ったオルフェウスとエウリディーチェの話。

美しすぎて哀しみの沼にハマる。

デュトワ指揮。悲しみを昇華して甘美な世界にしてしまう才能が恐ろしい。

ラヴェルそもそも「魔的」な曲が多いけど、そこに「色彩」を加えられるデュトワは流石だ。

「悲しみ」にくれてる己が「哀しみ」に移行していくのがわかるよ。

美しい旋律は甘美な御香のよう。