九月一日

九月一日は父親の命日で、あたしは19歳だった。

下の弟は15歳になるかならないか。まぁ、よく育ったよな。

後輩がうちの両親におかんの好きな吉廻家の抹茶ゼリーを持ってきてくれた。

阿闍梨餅も。

先日、上の弟に買うてもろた鰻で鰻牛蒡ごはんをこさえた。

おとん、鰻が大好物だったから。

生きてた時に食べさせてやりたかった。

肝臓が悪くて、食べさせられなかったけど、死んじゃうんだったら、お腹いっぱい食べさせてやればよかった。

神田の鰻。

どうして買ってきてやらなかったんだろう。

人は後悔ばかりだ。

ほんと、さみしい。