秋の実

9月12日は叔母の命日だった。

栗が大好きだったから煮て供えてあげようと思ったのに、栗、放置しちまった。

ダメダメ人間なあたし。

叔父夫婦には子供おらんかったから、法要はあたしがやってる。叔父の介護もした。形見の藍も引き取った。まさか、あたしが叔父夫婦を供養するなんぞ、叔母も思わんかったじゃろ。まず、そんなことするような人間にゃ、あたし見えんからな。

律儀なのか、馬鹿なのか、自分でもわからん。

ただ、筋は通したいとは思ってる。

それを人は「貧乏くじ」という。

朝から栗を煮るあたし。

今年の栗はあまり出来がよくないね。

実はSarahが4時くらいにあたしを起こしに来て、トイレかと思い急いで着替えたのに、違ったらしい。あたしの顔を左手でちょいちょいってやる。

牛乳水が欲しかったのかもしれん。

Sarahをみてると藍を思いだす。

吠える間に唸りが入るところとか、散歩に出て日向ぼっこで終わるとことか。

かわいいなぁ、Sarahは。

栗を煮始めた。

栗待ちのキルルンとSarahぺっこ。

キルルンは猿にしか見えない。

人間になる過程を通ってる。

お前たちがいると、

季節がツライものじゃなくなるね。

おやつに栗を食べようね。

栗は腎、脾の食薬です。