第六感

エリエリと散歩中、前方から何ともいえない雰囲気が近づいてきた。

圓大院の角を曲がると。

・・・あっ、こいつこの間の通り魔だ。

って思った。

エリエリとスラ太郎は穏やかで遊び好きで一緒にいてとても楽しい子。

特にエリエリは人の「悪意」とか「憎悪」とか、まったくないところで生きている。

こんな穏やかな子も珍しいと思う。

だから、エリエリには「毒気」にあたってほしくない。

リードを短めに持って足早に離れた。

一瞬、エリエリが「ん?」って顔したけど、黙ってそそくさついてきた。頭のいい子だ。

とにかく、何事もなくてよかった。

「毒気」とか「殺気」とか全くわからないエリエリだけど、リードから伝わる緊張感はすぐにわかる。

七夕さまに刺されました・・・なんてシャレなんないもんね。

あぁ・・・物騒な世の中だ。