韓国の映画に数年前あった『頭の中の消しゴム』若年性認知症の映画だった。もとは日本のドラマが原作。
小川洋子の『博士の愛した数式』・・・これも深津絵里と寺尾聡で映画化された。事故で脳の記憶が80分しか持てない博士と家政婦のお話。
モデルはいるんだろうけど、これは「ドラマ」の話。純愛で切ないお話。現実だったら「血」をみるよ。
・・・朝、起きた時だけ「記憶」がある。この「記憶」は時間が経つにつれて、池の下の方に魚が沈んでいくように「記憶」が曖昧になっていく。そして「記憶」が無い状態になる。
朝、起きると魚が酸素を欲しがって水面に浮上してくるように「記憶」が蘇ってくる。数分後にはまた「記憶」は消えてしまう。
このような「障害を持っている人」があたしの仕事相手。毎朝同じことを言い、毎朝同じ返答があり、その10分後には「忘れている」。相手の「記憶」はないが、あたしの「記憶」は積み重ねられていく。
シュナーズおトイレ係A嬢は言う。「藍ちゃんのことは忘れたくない(でも、忘れてしまうかもしれない)」これが現実。慰めで声を掛けてくれる人もいるが、彼女達を傷つけることにしかならない。
これを何年続けているんだろう。これが「仕事」と割り切れない相手が含まれていたら、地獄でございますよ。しかも、ほっといたら確実に「死ぬ」という(笑)もう、笑うしかねぇ。映画の「ジョーカー」になってしまいますね、ほんと。
いまの楽しみはね、うちのシュナーズを綺麗にしたいな、ミミエル、ショーにだしたいなってこと。
でもね、変なところ「完璧主義」なあたしは壁にぶつかった。
「ピンブラシ」
気が付いちゃった。リームーじゃん。
いつから呑むの?朝もでしょ。みたいな感じだったわけよ。
「毛玉」
お里の姉さまから連絡あって「言葉を選んだ説明」を受けた。
注意深く言葉を選んで。
ひとつ間違ってしまえば、あたしに対する「全方向の完全否定」になってしまうから。
そして、あたしの性格をよくわかってらっしゃる(笑)
あたしって扱いにくい子だと思う。面倒くさい子でごめんなさい。
あたしはね
健康な「毛」を出させる食事は作れる。
艶のある「毛」を出させる食事も作れる。
だけど「ショーに出す毛」を育てることは出来ない。
なぜならシュナーズを「庭で遊ばせる事」を我慢できないから。
庭で遊ばしたり、山に行ったり、脚にいらないものを付けてきちゃう。
振り子の振り幅が極端なあたしは「ピンブラシ」の一件で
「to be or not to be」
「トリミングをやるのか」or「全くやらないでお店にトリミングに出すか」
になってしまったのよ。
やっても無駄なことをやるくらいだったら、他の事に時間を使ったほうがいい。
キール以外、うちにいる子は宝の持ち腐れ。勉強できる方、したい方、遺伝子を残したい方にお譲りしたほうが「シュナウザー」の為。
だって、その為の「ショードッグ」だもの。手放す気は毛頭ないんだけど。
「人生ばくち打ち」これがあたしの座右の銘。
丁と出るか半と出るか・・・鬼が出るか蛇が出るか。
色んな考え方、やり方を聞いたよ。どうしたらいいのかあたしの気持ちに添ってアドバイスをくれたの。
アドバイスに従って来年の三月までは頑張ってみようかなって思う。
ウィスキーの事を考えたら、とにかく健康で過ごしやすいトリミングは必須だからここは抑えるけど。
「頭の中」を消しゴムで消せたらな・・・って不謹慎だけど思ってしまう。
毎朝、新しい希望を立てて、失敗しても、また、次の朝、新しい希望を持てる。
まっ、希望なんてもたないけどな。
確実に「黒く」塗りつぶしていく次第でございます(笑)