失われた未来をもとめて

うちのお里は

とおいところにある

ここから

ずっと とおいとこ

きがついて

さがしてみても

もう

手が とどかない

こえが きこえなくなって

めのまえに みえなくなって

そのくうきすら ただよわなくなって

はじめて みんな あれっ て おもいだす

そして うわさ だけが ひとりあるき

だんだん みたことがないひとが ふえていく

それっぽい すがたは のこるけど

それは げんじつのすがたより はるかに とおい

ながい おうちじかんが あるんだもの

どこかに まだ ちゃんす が あるのかも

ながい おうちじかんが あるんだもの

すこしでも お里の かたちを のこしておけるように

すこしでも お里の せいしんを のこしておけるように

このかけがいのない じかんを

たいせつに

失われた未来を求めて