赤ちゃんが生まれると、お宮参りに行くものだと思ってた。
犬張り子と犬筥(いぬはこ)・・・もう、そんな言葉すら死語ざんすね。
昨日、水天宮の側を通ったのよ。
関東だと一番有名↑
「福犬」の犬張り子。
水天宮さんの「福犬」は映像がみつからなかった。
江戸のは「ざる」被ってる。
そもそも発祥は名古屋の熱田神宮と言われてるけど、あたしが文献資料をみつけられなかったので「発祥と言われてる」らしいくらいのレベル。熱田神宮の魔除けの御守りに「戌の鈴」があるから、このあたりからかしらね?水天宮も「鈴」だしね。
「悪い猫には鈴をつけろ!」と言ったのはイソップ物語の鼠でしたが。
こっちが名古屋地域ざんすね。着物の刺繍はこの形が多いかな。
うちのお里。
引退されることが決まってた。
もう、仔犬ちゃんが生まれることはない。
なので、
代わりに何がいいんだろうって
不遜にも思ってしまった。
で、
硝子細工のお財布に入れる
「犬張り子」
ずっと、犬舎を見守ってくれるように・・・そう、思ってお送りした。
シルバーのネックレス。
あたしのには首輪に「AI」って入ってる。
これと同じものをお里にお贈りした。
首輪には「犬舎号」を入れて頂いた。
ずっと、この子が犬舎の全ての犬の代わりに
傍らにいてくれますようにって。
50年。好きで仔犬を手放すわけでは無し。
その子の行く末を全て見届けられる訳でもなく
ただ、ただ、幸せであってくれるようにと
心のうちでは詫びながら
ただ、ただ、ごはんと暖かい寝床がありますようにと
首をたれて祈りながら
ただ、ただ、愛おしんでくれてありがとうと
頭をさげて手をあわせながら・・・・
譲った子の死は家族のお気持ちはいかばかりか。
送り出した里は送り出した数だけの
喜びだけではなく、悲しみ苦しみも
その身、一身に受けねばならない。
それが、まことの「育種家」なのだと。
あたしの勝手な思いだけれども。
だれがその「重み」を知るのだろう。
せめて「張り子ちゃん」たちが、
少しでも「重み」を一緒に背負ってくれますように。
「張り子」の写真は「戌張り子オンライン」からお借りしました。