ひなまつり

お昼ころから、ゆき。

今日はひなまつり。

ちいさくて、かわゆらしいものが、丈夫に育つようにとお願いするおまつり。

はなびらが、舞い散ったり、ゆきが舞い落ちたり。

天から降ってくると、傘をささなくてもいいかな、そんな気分になる。

ねえねはここにいるよ。

ねえねのところに帰ってきて。

ねえねのそばにいて。

ねえねのひざに頭を乗せてよ。

ねえねのお顔にお鼻をつけてよ。

会いたいと思う心の空虚さは、

いったいどこから生まれてくるのだろう。

空虚さが埋まる日なんてない。

誤魔化すのと忘れるのは似て非なるもの。

ひなまつり。

生きてる子も亡くなった子も、全ていとおしい。