預言者ヨカナーンの生首を所望し、 銀の皿のものいわぬヨカナーンの唇に言うセリフ。
「お前のくちに口づけしたよ」
オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」でございます。
稀代の振付家モーリス・ベジャールの作品「サロメ」
あたしが観たのは確か1986年だったと思うんだけど、とにかく衝撃的だった。
ラグビーの選手の持っているボールがヨカナーンの首になってしまうのだから。
あたしの大好きな大好きなラ・ピエトラと。
「バレエフェスティバル行ってきたらいいのに」と勧めてくださった方がいらっしゃる。
観たい気持ちと観ててもシュナーズが気になって集中出来ない自分と、いろいろな感情が入り乱れる。
もし、デュポンが生きていたのなら、もう一回「サロメ」は観てみたかった。
再演されたのも観たけれど、初演の衝撃には勝てなかった。
観れるときに、観れるものを観てみたい。
舞台は「一期一会」で、二度とその舞台は観ることができない。
「黒塚」猿之助のお家芸からのインスピレーション。ベジャールってどんだけ感性がいいんだろう。若かりし頃の玉さまと。モンパルナスのキキか宝塚の男装の麗人、はたまた川島 芳子のよう。
この人たちの生きている時代に生きられた幸せに感謝しよう。
リアルタイムで、観ることが出来た幸運に感謝しよう。
安らかにおやすみください。