三年目

二年前の6月5日にSarahぺっこはやってきた。

寄る辺ない顔。

うちに来る予定の子じゃなかった子。

Sarahのあどけない仕草は、来た当初から変わらない。

Sarah・・・キャンディは向かうところ敵なしだった。

今でも思う。

人間の醜いエゴだけれども、引退しないでショーを続けていたら、勝ち続けていたと思う。

それを、「観てみたかった」と。

でも、「それが何か?」と問う自分がいるのも偽りのない事実。

「もっと馬鹿か、もっと賢く生きられたのなら・・・」と心から思う。

自分は自分が思っているより、冷めている。

キャンディはとても頭の良い子だから、全てわかってたんだ。

だから、想い出すと切なくなる。

キャンディ、私のかわいいSarahぺっこ。

もう、寄る辺無さはなくなったかい?

藍が色の無くなっていた世界に色を取り戻してくれた。

その藍がいなくなって、再び世界から、色が無くなっていった。

藍を思わない時なんて一秒たりともない。

私の宝物。私の大好きな藍。私の全て。

Sarahは可愛いなぁ。

お前がこんなに愛おしくなるなんて、夢にも思わなんだ。

それぞれが、それぞれに愛おしいのだけれども。

Sarahのあどけなさは、どこからくるのだろう。

あどけなさは季節を思い出させてくれる。

どの子にも思うのだけれど。

病気で苦しみ続けてまで、生きろというつもりはない。

だけれども、突然、消えるなんてことだけはしないでね。

ゆっくり、老いて、ゆっくりと。

共に老いて行こう。

お前の前から、突然、私は消えたりしない。

だから

・・・どうか、理不尽な事を私にしないでおくれ。