あるじなしとて 春な忘れそ

東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ

飛梅伝説のある歌でございますが。

ここの主でありましたご兄妹が、知らない間にお引越しをされておりました。

春には梅、初夏には藤、夏には池でカエルが、秋には楓が。

うちのシュナーズ、もさもさで顔なんてわからないだろうに、どの子も覚えていてくれたご兄妹でした。

二月のバタバタしているうちに、いつの間にか、お引越しされていました。

疑問に思ってご近所の方に訊いてみました。

ご兄妹ともども、自らに籠る病気をお持ちだから、挨拶は厳しかったのかもしれない。

会うと「触っていいですか?」と撫ぜてくださいました。

今年の春はいつにもまして淋しいです。