木の隙間から
なんとなく日の光
藍ちゃん、こっち こっち
うん?
あっ お前か・・・
木の陰は風さえあれば涼しい。土もアスファルトではないから肉球が油で汚れることもない。
夏の日差しは強すぎて、藍リンは目が開けていられない。
午前中のこのくらいが調度よいね。
呼んでも耳は聴こえていない。
まったくではないだろうけど。
音のない世界ってどんななんだろう。
寂しくないだろうか。
匂いや気配で私がいるのがわかる。
それがわかる瞬間、私が安心する。
お前たちはまだ若いからいいけどね。
このところ、訃報が多くて。
病院でも重篤の患畜さんに多くお会いします。
手術の近い子もいます。
どうか、どうか、全てのものがこの暑い夏を乗り超えられますように