春を告げるもの

私は冬が一番好き。

あの凛とした感じ、月の光ですら切先のような冷たさ。

私の生活の範囲では冬が一番好きだった。

比べて子供の頃から春は嫌いだった。

虫は出て来るし、気温はぬるむし、なによりあの浮かれ具合が大嫌いだった。

でもね、季節仕事は昔からしてたのよ。

春はねヨモギを摘んで草もちをこさえたり、

蕗味噌だったり、セリだとか、春の野草ね。

春を告げるものは身近にたくさんあった。

母が病をしてから、春を乞うようになった。

緑が青々してくる季節が大好きだった。

今年は櫻はみられるだろうか。

来年は櫻をみられるだろうか。

老いると「雪月花」を愛でるようになるのだ。

いまは、

ウィスキーと今年も櫻を観れることに感謝して。

来年もウィスキーと櫻を観れるように養生させよう。

2025年3月5日、22時、ウィスキー発作。