荒波の向こう側

目を瞑って聴きたい。

海の波にぶつけるつもりで弾くとか聞いたんだけど、誰から聞いたんだっけか。

たまに聴きたくなる。初代高橋竹山のじょんがら新節。

昔、川崎駅前で津軽三味線弾いてる二人組がいて、その気迫が半端なくて。

誰だこいつら素人じゃねえだろ・・・・と思ったら、それが10代の吉田兄弟だった。

天才肌の弟と、兄。

久々に最近のものを聴いてみたら、少しがっかりだった。

何事も『垢』がつくとダメね。

その『垢』は「経験」だったり、「慣れ」だったりするんだけどね。

初代のはね。

目を瞑ってると、その荒波を越えていける気がするんだ。

撥の当て方なんだろうけど、荒波にぶつけていくような。

たまに聴きたくなる。

なんの音も無い暗闇で。

この子いい。

中近東の音を持ってる。

素晴らしい。